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第6章 はじめてアビを見る

 NIFTY-ServeのFSHIPでLMSさんが発表された『シロクマ号となぞの鳥』(1964.5.30第2刷)とアーサー・ランサム全集第12巻『シロクマ号となぞの鳥』(1999.6.7第19刷)を元に、次の比較一覧にまとめたものです。  英語版への参照にはPuffin BooksのGreat Northern?, impression of 1973を使いました。
 修正の表記については、真鵺道によりました。
2001. 3.14 高橋誠
変更 内容 英語表記
内容
100 101 片手かたて手帳てちようを、片手かたて鉛筆えんぴつ[/も]ち、 81
生まれてはじめて、アビのるいを見たの[である/だ]
ディックはまっすぐ[に/]上湖かみこへやってきた。
ヘブリデス諸島巡航しよとうじゆんこうたび仲間なかま[/い]りできると
鳥がまいおりた[、/む]こうがわ水面すいめんに、いちばんなみ[立/た]っていた。
101 102 とおくの方に目をやると[/、]鳥がさざなみの中から[、/]なめらかな水面すいめん 82
鳥は水中[/すいちゅう]ふかしずめて
鳥はまた[う/]かびあがってきたが、
望遠鏡ぼうえんきよう接眼せつがんレンズをはずし、[はいたいき/レンズ]のくもりをぬぐった。 unscrewed and cleaned the eye-piece of his telescope, misted over with his breath.
102 103 だいたい確信かくしん[/も]てた。
あたま[くび/くび][うしろ/うしろ]がわ灰色はいいろっぽく、[くび/くび]両側りようがわが黒白のしまで、のどには[/ふと]い黒すじが
「オオハム[/。]」と、ディックは尊敬の気もちをこめて
その名[前/まえ]を書きくわえた。 83
しかし、鳥の種類しゆるいには確信かくしん[/も]っていた。
鳥は、ディックの頭上ずじよう[えん/]をえがいてとぶと、下手しもてみずうみ[/む]かうようにとびったが、南に[/む]きをえるのが
航海こうかい[わ/][/わ]りにちかいが、
ディックは、[やや/ちょっと]こわばったからだで立ち[上/あ]がると、めがねをはずして[、たま/玉]をふいてから[、/]かけなおし、
103 104 てっぺんの大昔おおむかし住居じゆうきよ[、/]三人の[険/検]たんけんかをのこしてきた、
そこで、[一ヵしよさけ目があり、そこをぬける一本の車道くるまみちで、となりの谷につうじている尾根おねを見わたしてみた。/となりの谷につうずる車道くるまみち尾根おねをこえるさけ目を見た。] He looked along the ridge with a gap in it where that cart track climbed over into the next valley.
まもなく[、/]ひきかえして、ぼくを[さが/さが]しにくるだろう。
あのオオハムほど見[がい/るねうち]のあるものはいないだろうが、時間[じかん/]のあるあいだに見ておいた[方/ほう]がいい。
わずか一日の[/、]それも午後ごごに二[どは/んか]のぞめない。 84
すでに、きょうは、全航海ぜんこうかいつうじて、いちばんすばらしい日になったのだから。
[/(改行)]

 オオハムが見られたことを
Already his day was the most successful of the whole cruise.

  Recjoicing in what he had already seen,

ようやく、みずうみがほそい川となって[した/しも]みずうみながれこむさか[い/][/い]平地へいち
古代こだいのピクトじんおかの上のあの家をたてた[ころ/ころ]は、
105 ながれの石の上で、[白/]ワイシャツのようなむねを見せて、
104 母鳥[ははどり/]が、ひなににげるすきをあたえるために、
ディックの歩いている土手[どて/]のすぐそばを、
まもなく[、/]ディックは、[ひろ/ひろ]いアシどこのへりを歩いていた。
手帳てちよう[</「]アイサ三羽[>/」]と書きこみ、
もう、午後ごご時間[じかん/]はすぎっていたが、 85
一日がおわったことを知らせる[、/]シロクマごう霧笛むてき[/、]きこえるかもしれなかった。
アシどこをこえると[つつみ/土手]が高くなった。
湖側みずうみがわいわと、うしろの[つつみ/土手]が、鳥からをかくすにはとても[工合ぐあい/ぐあい]がよいことを知っていたので、できるだけ[みず/][ぎわ/ぎわ]を歩きつづけた。
105 106 その[上、/うえ]このみずうみにあるしまは、特別とくべつ[工合ぐあい/ぐあい]よくできていた。
まん中には[/まる]い石があり、
[/たい]らで岸に草がはえていた。
あの鳥が谷間たにまを出て南にとび[さ/]ったと思ったのは、
ディックの足[元/もと]はもう水で、
[らく/らく]観察かんさつするためにあつらえたような、
鳥がおよいでいた湖上こじよう[さが/さが]した。
なめらかなまる水面すいめん片側かたがわにさざなみ[立/た]っているのが見えた。
鳥はちょうど水から出てきたところで、[/水をひと口のむように]くちばしをちょっと水につけ[、一口のむように/てから、]あたまをあげた。 It had just come up and he saw it dip its beak and lift its head as if swallowing a drink.
からだをふか水中[すいちゅう/]にしずめ、[くび/くび][/も]ちあげて、 86
アイサをって上湖かみこにもどらなくて[うんが/]よかった。
107 すると、[みず/][ぎわ/ぎわ]から一メートル
106 107 [たし/たし]かだ。またうごいた。
やっと水に入ったかと思うと、すぐにおよ[出/だ]した。
さっき上湖かみこで見たのと[おな/おな]じオオハムだと確信かくしんしていた。
がいっしょにおよぐのを見て[、/]考えた。
それは、[荒々あらあら/あらあら]しいわらい声にていた。
まるで、二の大きな鳥が、[途方とほう/とほう]もない冗談じようだん
かび[上/あ]がった時には、だいぶはなれていた。
しま[/む]かっておよいできた。
ディックには確信かくしん[/も]てなかったが、
[おな/おな]じ鳥かどうかはわからないが、足は、やはり[、/]よたよたしていた。
そして、ディックがはじめにうごくのを見た[、水際みずぎわ/みずぎわ]の草むらにとまった。
107 108 だんだんしまからはなれていき、[時々/ときどき]水にもぐると、 87
[全然ぜんぜん/ぜんぜん]見当けんとうちがいなところにかびあがったりしている。
ディックは、望遠鏡ぼうえんきようをすわっている鳥に[/む]けたまま、
見分[/みわ]けのつかない小石のあいだにたまごをむカモメのように、
およいでいる鳥が、あまり時間[じかん/]をとらずに
[かれ/かれ]らのどんな冒険ぼうけんよりおもしろいなどとは、[ちっとも考えはしないのだ/考えてみたこともない] not thinking for a moment
頭上ずじよう[つつみ/土手]がじゃまして、ティティたちが谷間たにま[下/くだ]ってくるかどうかは見えなかった。
そこで、また鳥の方に目を[/む]けた。
109 小さな望遠鏡ぼうえんきよう[は/も]
108 役には立つ[が/けれど]、これだけはなれていると、
についている。」と走り[が/書]きした。
ディックは、もう一手帳てちよう[出/だ]して、さっき[書/か]いたところに
みずうみ[マス/ヤマメ]岸辺きしべ[/む]かって夕ぐれの移動いどうをはじめたので、オオハムもよりよい[猟/漁]りょうばをもとめて、[マス/ヤマメ]あとうのだろうか、 88 trout
からだ全体ぜんたいは、最初さいしよ見た[時/とき]考えたより、
110 かび[上/あ]がったところは、
109 手帳てちようのリストにその名[/まえ][か/書]きくわえたが、すぐに、大オオハムは[大ブリテンとうに/イギリスで]をつくらないことを思い[出/だ]した。 Great Britain
オオハムの名[前/まえ]を書いた手帳てちようのページは、
をつくらないことを思い[出/だ]して、
その[上/うえ]疑問符ぎもんふもいくつか
黒い[くび/くび]に、黒と白の[しまもよう/しま模様もよう]が二[ヵ/か]しよあるのが
また手帳てちようにその名[/まえ]を書きこんだが、
書いた名[前/まえ]を消し、[あたら/あたら]しいページを出した。 89
あの鳥のあたま[くび/くび]をスケッチして、シロクマごう船室せんしつにもどった[時/とき]
[ヵ/か]しよある[しまもよう/しま模様もよう]のありさまは、
そして、この[あたら/あたら]しい鳥も、たしかにアビやオオハム[の/と]同類どうるいだった。
110 111 [</「]大オオハム[>/」]と書き、
すこし説明せつめい[じ/][か/書]きくわえたちょうどその時、
[おーい/アホイ]! ディック! [どこだ?/アホイ!] ‘Ahoy! Dick! Dick! Ahoy!’
鳥は、[険/検]たんけんかたちのさけび声をきき、
いそいでしま[/む]かっておよっていったが、
あたまだけだしておよいで[行/い]くところは、
ディックは[た/立]ちあがり、
[険/検]たんけんかたちがのろのろ走ってくるのを見て、
挿絵のキャプション:ディックの手帳てちよう[あたら/あたら]しいページ 90
111 112 岸辺きしべから[つつみ/土手]にあがった。 89
と、ティティがいき[き/]らしながらいった。 91
どなってみた[方/ほう]がいいって、ドットがいったのよ。」
敵意てきいある[島人とうじん/島の人]たちに。
ディックも、いつのにか[、/]みんなといっしょに走っていた。
「わたしたちは、[あと/あと]をつけられたわ。」
112 113 四人は、速度そくど[/お]とさずかけ足をつづけて、
みずうみからながれ出る小川の土手[どて/]とおって、
しおのひいた小さな入江いりえに足をだして[た/立]っていたが、
「ボートで[行/い]くから。 92
追跡ついせきをあきらめたわ。」[と、/]ふりかえって川の方を見上げたドロシアが、
[あと/あと]をつけたことが、すっかりむだだった
113 114 「べんとう[/た]べてから、千キロ[はん/]歩いたもの。」
ふね[/む]かってきしをはなれるあいだ
「あのサンドイッチはいつ[/た]べた?」

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